サブシステム、ガバナンス、コンプライアンスを効率化したPACCAR
世界最大規模の大型トラックメーカーPACCARは、世界中に従業員を擁し、事業を展開しています。PACCARの今後の成長と市場での成功は、32,000人の従業員が必要なリソースにアクセスし、円滑に業務を遂行できるかどうかにかかっています。
導入前の課題
PACCARは長年にわたり成長を遂げるとともに、買収を通じて規模を拡大してきました。そのため、複数の人事システムや異なるコンピューティングプラットフォームが存在し、そのことが数万件にもおよぶユーザーアイデンティティ(ID)の全体的な可視性を損ねていました。また、PACCARは、ユーザーIDの管理において多くの手作業によるプロセスに頼っていたため、今後の事業成長に対応できるよう、自動化する必要がありました。
ソリューション
PACCARは、SailPointを導入し、8つの人事システムにまたがる全世界の数万件のIDを統合しました。これにより、プロセスを効率化してリスクを軽減しつつ、従業員のロールベースアクセス制御を実現することができました。PACCARは、SailPointが提供するAIを活用したアイデンティティセキュリティ機能を利用して、ロール(役割)管理の自動化を加速させることを目指しています。
- 産業
- 製造業
- 従業員数
- 従業員数:31,000人以上
- 製品
- AI-Driven Identity Security
- Identity Security Cloud
- パートナー
- Focal Point Data Risk
「AIを活用することで、ロール(役割)管理の自動化を加速できると考えています。」
MicheleAnne Schroeder氏、アイデンティティ アクセス管理(IAM)担当マネージャー、PACCAR

ワシントン州ベルビューに本社を置くS&P 500採用企業、PACCARは、世界中で販売されている大型商用トラックを設計、製造しています。企業が原材料を調達元から工場に運んだり、最終製品を工場から消費者へ届けるなど、モノの移動にPeterbilt、Kenworth、DAFなどの大型トラックが利用されています。
鉄道および伐採用機器の製造を目的として1905年に設立された同社は、その後、成長を遂げるとともに、買収を通じて規模を拡大し、大型トラックの製造で業界をリードする企業となりました。現在では米国、オランダ、メキシコ、カナダ、ブラジル、英国など複数の国に拠点を構え、2022年の収益は270億ドルを超えました。
しかし、優れた製造技術だけでは、実用的でタフなトラックを設計、製造、販売、サポートすることはできません。これらの業務は、顧客や市場の変化し続けるニーズに迅速に対応できる多くの従業員によって支えられています。PACCARの今後の成長と市場での成功は、32,000人の従業員が必要なリソースにアクセスし、円滑に業務を遂行できるかどうかにかかっています。
このような背景から、同社では過去数年にわたり、アイデンティティセキュリティに重点を置いた取り組みを進めてきました。PACCARでは、SailPointを導入することにより、サブシステム、ガバナンス、コンプライアンス対応を効率化し、従業員のパフォーマンスを高め、より円滑なビジネスプロセスを実現することができました。
アイデンティティセキュリティで将来の成長に向けた基盤を構築する
昨今、あらゆる企業が優位性を求めています。市場や顧客のニーズに応え、利益を生み出し、機敏性と対応力を高めて新たなビジネスチャンスを逃さず捉える方法を模索しています。
PACCARにとって、将来の成長に向けた基盤を築き、これらの目標を達成するためには、アイデンティティセキュリティが欠かせません。数万人におよぶ従業員を擁する同社は、セキュリティ、効率性、ビジネスチャンス獲得などの観点から、デジタルアイデンティティを適切に管理することがいかに重要であるかを認識していました。
長年にわたって構築されてきたビジネスプロセスを持つ多くの組織と同様、数年前、PACCARにも手作業によるアイデンティティ関連のプロセスが複数存在していました。
「私が5年前に入社したとき、ITサービスマネジメント(ITSM)フォームの提出からID作成プロセスまで、すべてが手作業で行われていました」と、PACCARのアイデンティティアクセス管理(IAM)担当マネージャーであるMicheleAnne Schroeder氏は言います。「オンボーディングと権限審査(ID棚卸)プロセスにいくつかのPowerShellスクリプトを使用していた程度でした。」
さらに、ユーザーのIDを可視化できていない状態でした。「メインフレームやAS/400、そしてIDが作成されるさまざまなアイデンティティストアがありましたが、それらのIDをグローバルIDに結び付ける方法はありませんでした。」
IDの課題に加えて、PACCARはブラジル、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、北米など、世界中に8つの異なる人事システムを有していました。
このような背景があり、Schroeder氏、そしてPACCARの経営陣は、今後の成長に必要なのは、それらすべてのIDを集約することだと認識しました。
アイデンティティの単一のビューを構築する
Schroeder氏のチームは、世界中の複数のシステムやソースに分散するIDを統合するため、すべての契約社員を管理するためにすでに使用されていたグローバルIDシステムを拡張することから始めました。
同社のアプリケーションのほとんどはMicrosoft Active Directoryを経由し、シングルサインオン(SSO)とAzureを使用しているため、ネットワークアカウントを持つ全ユーザーにグローバルIDを付与しました。そして、同社の8つの異なる人事システムのIDを標準化するために、グローバルIDデータベースを作成しました。
その後、将来のアイデンティティセキュリティと制御の基盤となるSailPoint IdentityNowに、この新しいグローバルなビューを取り込みました。
8つの人事システムはすべて運用方式が異なり、フィールドも異なっていたため、課題の解決においてこのステップが非常に重要でした。
「グローバルID用のフィールドがシステムにない場合は、JD EdwardsやADPなどのさまざまな人事システムベンダーと連携し、グローバルIDに対応できるようにしました」とSchroeder氏は述べています。「これにより、すべての人事システムで単一のグローバルなユーザーIDを利用できるようになりました。」
もう1つの課題は、地域間の異動や、経理から製造への異動などの職務の異動によって人事システム間を移る従業員をどのように扱うか、そのプロセスを定義することでした。
「所属する人事システムの従業員IDが変わっても、同じグローバルIDを引き続き使用できるようにしたのです」とSchroeder氏は語ります。「これがアイデンティティセキュリティの基盤となりました。」
このプロセス全体を通してアイデンティティセキュリティチームにとって欠かせなかったのは、各人事システムおよび事業部門における手順を把握することでした。Schroeder氏は、「もともとのプロセスを変えることは望んでいませんでした」と述べています。「もともとあったプロセスを変えるのではなく、それらのプロセスをサポートするための要件をツールに落とし込み、さらに効率化することを目指しました。ビジネスの効率化に役立つことがわかれば、進んで導入してくれるはずだからです。」
アイデンティティセキュリティの導入成功から得られた主な教訓
単にテクノロジーを導入すれば、アイデンティティセキュリティを成功へと導けるわけではありません。もちろん、SailPointのような堅牢なエンタープライズクラスのアイデンティティセキュリティプラットフォームは必要ですが、適切なプロセスとそれを担う人材のスキルも必要です。
PACCARの場合、複数の国に事業部門を持つグローバル企業であるがゆえに、導入の難易度が高まりました。しかし、Schroeder氏のチームはひるみませんでした。
「私たちはオランダまで足を運び、主要なステークホルダーと直接会って、ツールと権限審査(ID棚卸)プロセスのデモンストレーションを行いました」とSchroeder氏は言います。「一度見てもらえれば、全員が賛成してくれました。」
Schroeder氏のチームは、自動化が可能な、労働集約的で手作業に頼っていたプロセスに焦点を当てることで、ビジネス部門の支持を獲得することにも努めました。最後のポイントとして、Schroeder氏は早い段階からステークホルダーを巻き込むことの重要性を指摘しています。「もう1つの学びは、さまざまなチームを早い段階から巻き込み、単に出来上がったソリューションを提供するだけでなく、要件を収集する段階から主体的に参加してもらうことです」とSchroeder氏は述べています。「そうすれば、当事者意識を持ってもらい、意思決定に参加できたと実感してもらうことができます。」
AIとアイデンティティセキュリティの未来
AIは、ビジネス環境、そしてテクノロジー環境においてますます広く利用されるようになっています。アイデンティティセキュリティを導入する組織にとっても、AIは検討すべき重要な要素となりつつあります。
「当社は2022年の初めにSailPointのAIを活用したアイデンティティセキュリティの運用を開始しました。本番システムでAI機能を有効化しましたが、AIへの取り組みはまだ始まったばかりです。AIを活用することにより、ロール(役割)の自動管理を加速できると考えています。」
PACCARは、AIを使用して、ロール(役割)の統合とクリーンアップを進め、さまざまな部門の可視性を確保する予定です。SailPointを活用することで、引き続きビジネスの成功を確かなものにし、効率性を向上させることを目指しています。




