SOX法(サーベンス・オクスリー法)は米国の法律で、上場企業における企業ガバナンス、財務の透明性、財務報告の信頼性の向上を目的として2002年に制定されました。この法律は、その主要な法案提出者であるポール・サーベンス上院議員とマイケル・G・オクスリー下院議員にちなんで名付けられました。
SOX法は、米国のすべての上場企業の取締役会、経営陣、そして公認会計士事務所に対して高い基準を定めており、株主と一般市民を不正な企業慣行から保護するとともに、企業情報開示の正確性を向上させることを目的としています。
SOX法に違反すると、高額の罰金や懲役刑が科せられる可能性があります。この法律は、企業の財務部門だけでなく、企業における電子記録の保管を担当するIT部門にも影響を与えます。
J-SOX法と米国のSOX法の違い
日本版SOX法は、米国型を参考にした、罰則や運用は相対的に穏やかな内部統制制度ですが、米国SOX法は、強制力が強く、刑事罰を伴う厳格な法律といえます。
項目 | 日本版SOX法 | 米国SOX法 |
---|---|---|
制定背景 | 米国SOX法の影響を受け、投資家保護と国際整合性のため導入 | エンロン・ワールドコム事件など大規模粉飾決算の多発 |
対象 | 日本の上場企業(金融商品取引所に上場するすべての企業) | 米国上場企業および米国市場で取引される外国企業 |
法的性格 | 金融商品取引法の一部として制度化(刑事罰は相対的に緩やか | 連邦法として強制力・刑事罰あり |
内部統制報告 | 経営者による内部統制報告+監査人による「意見表明」だが、米国ほど厳格ではない | 経営者による内部統制評価+外部監査人の「強制的な監査」 |
罰則 | 不正があれば金融商品取引法の一般的な罰則(米国ほど重罰ではない) | 不正報告には厳しい刑事罰(最高20年の懲役など) |
影響度 | 米国SOXを参考に日本の実情に合わせた制度設計 | 世界的な会計基準や内部統制の標準モデルとなる |
日本企業が押さえるべきSOX法と内部統制
米国に上場している、または上場を検討している日本企業にとって、SOX法の遵守は必須条件です。また、米国のSOX法は、内部統制・会計透明性・経営者責任に関する世界のスタンダードになっているので、自社のガバナンス強化の参考になります。
不正会計が引き金になったSOX法成立までの流れ
SOX法は、企業による不正行為、不正経理、そして不十分な監督により発生した、2000年代初頭のエンロン社やワールドコム社などが関与した会計スキャンダルを受けて導入されました。これらのスキャンダルにより影響を受けた企業の株価が暴落して投資家が数十億ドルの損害を被ったことに加え、米国の証券市場に対する国民の信頼が損なわれる事態となりました。
金融市場の信頼性に対する国民の非難と懸念の声を受けて、議会は企業ガバナンスと会計に関する問題に対処するため迅速な行動をとりました。ポール・サーベンス上院議員とマイケル・オクスリー下院議員は、それぞれ米国の上院と下院でSOX法を提出しました。
サーベンス・オクスリー法は、投資家の信頼を回復し、企業ガバナンスを強化するためには規制改革が必要であるという総意を反映し、超党派のサポートを得ました。同法は2002年7月30日、ジョージ・W・ブッシュ大統領によって署名され、法律として成立しています。
SOX法の全体像が見える9つのポイント
SOX法に含まれる主要な要素を端的にまとめると以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
監査の独立性 | 監査人の利害対立を禁止し、ローテーションや報告義務を規定。 |
財務報告責任 | CEO・CFOが財務諸表の正確性を保証。 |
情報開示強化 | 重要な変更や簿外取引を迅速に開示。 |
内部統制 | 内部統制の整備・評価・監査を義務化。 |
罰則強化 | 経営幹部の不正に厳しい刑事罰。 |
インサイダー取引禁止 | ブラックアウト期間中の幹部取引を禁止。 |
PCAOB設立 | 公開会社監査を監督する機関を設立。 |
アナリスト規制 | 利害関係の開示を義務化し独立性を確保。 |
内部告発者保護 | 通報者を報復から保護。 |
それぞれ解説します。
監査の独立性
SOX法では、独立性を維持するために監査対象企業に対して監査人が監査以外の特定のサービスを提供することが禁止されるなど、利害の対立を防ぐための外部監査人の基準が定められています。また、新しい監査人の承認要件、監査パートナーのローテーション、監査人の報告要件も導入されました。
財務報告に対する企業の責任
SOX法は、上級管理職(最高経営責任者(CEO)および最高財務責任者(CFO))に対し、報告された財務諸表の正確性と完全性を保証することを義務付けています。
財務情報開示の強化
サーベンス・オクスリー法には、開示すべき内容と時期に関する規則が定められています。同法によると、企業は財務状況または事業運営における重要な変更、ならびに財務諸表に影響を与える可能性のある簿外取引に関する情報を「ただちに一般に開示する義務」を負っています。
内部統制
SOX法では、企業は財務報告に関する内部統制を確立し、維持することが義務付けられています。これには経営陣による内部統制の評価と、監査人による内部統制の有効性に関する証明が含まれます。
ホワイト カラー犯罪に対する罰則
SOX法では、企業の不正行為などのホワイト カラーによる犯罪や謀略に関連する刑事罰が強化されました。これらの罰則には、不正行為に関与した経営幹部に対する罰金と懲役刑が含まれます。
年金基金のブラックアウト期間におけるインサイダー取引の禁止
SOX法は、従業員が退職金制度のもとで自社株を取引する権利が制限されている期間(年金基金のブラックアウト期間)における企業幹部によるインサイダー取引を禁止しています。
公開会社会計監督委員会(PCAOB)
SOX法は、公開会社の監査を監督し、監査業務の独立性と質を確保するため、PCAOBの設立を定めています。
証券アナリストの利害の対立
調査報告書の独立性を高めるため、SOX法は証券アナリストに対し、潜在的な利害の対立の開示を義務付けています。
内部告発者保護
SOX法は、企業の違法行為や不正行為を報告した場合に雇用主から報復を受ける可能性のある内部告発者を保護します。
表で見るSOX法11章の全体像
サーベンス・オクスリー法は11章で構成されています。これらの章には、企業ガバナンス、財務の透明性、および財務報告の信頼性の向上を目的とした以下のような主要な条項が含まれています。
章 | 主な内容 |
---|---|
第1章 PCAOB | 公開会社会計監督委員会(PCAOB)の設立。監査人登録、調査・懲戒、SECによる監督、資金調達規定。 |
第2章 監査人の独立性 | 監査人による非監査サービスの禁止、監査委員会の事前承認、監査パートナーのローテーション、利害対立防止。 |
第3章 企業責任 | CEO・CFOによる財務報告の認証義務、不正時の報酬返還、監査への不当介入禁止、ブラックアウト期間の取引制限。 |
第4章 強化された情報開示 | 簿外取引の開示、役員取引の迅速報告、内部統制の評価・報告義務、重要事項のリアルタイム開示。 |
第5章 アナリストの利害の対立 | 証券アナリストの独立性確保と利害関係の開示義務。 |
第6章 委員会の資金と権限 | SECの権限強化(証券専門家の規制、ペニー株禁止、ブローカー資格基準)。 |
第7章 調査と報告書 | SEC・会計検査院による信用格付機関、証券違反、IPO慣行などに関する調査・報告。 |
第8章 企業不正・刑事責任 | 文書改ざんの刑事罰、不正債務の非免責、時効延長、内部告発者保護、不正行為への罰則。 |
第9章 ホワイトカラー犯罪罰則 | 郵便・通信詐欺の刑罰強化、CEO・CFOの虚偽財務報告への刑事罰。 |
第10章 税申告書 | CEOによる税申告書への署名義務。 |
第11章 追加の企業責任 | SECによる不当支払い凍結権限、違反者の役員就任禁止。 |
サーベンス・オクスリー法第1章 – 公開会社会計監督委員会(PCAOB)
SOX法第1章では、公開会社における監査の監督を強化し、監査の質を向上させるために、公開会社の監査を監督するPCAOBの設置を定めています。サーベンス・オクスリー法第1章の主要な条項は以下のとおりです。
SOX法第101条 – 設立、管理条項 この条項は、以下を目的とする非営利法人であるPCAOBの設立を定めています。
- 公認会計士事務所の登録を含め、公開会社の監査を監督する。
- 公開会社の監査に関連し、監査、品質管理、倫理、独立性、その他の基準を確立する。
- 登録会計事務所に対する検査、調査、懲戒手続きを実施する。
- SOX法への遵守を確保する。
SOX法第102条 – 委員会への登録 発行会社に関する監査報告書を作成または発行するすべての会計事務所はPCAOBに登録する必要があります。
第105条 – 調査および懲戒手続き PCAOBは、登録公認会計士事務所およびその関係者に対し、SOX法違反を理由に調査を行う権限を有します。また、PCAOBは、SOX法、PCAOB規則、証券取引委員会(SEC)規則、または専門家としての基準への違反を理由に、これらの事務所および個人を懲戒する権限を有します。
第107条 – SECによるPCAOBの監督 SECには、PCAOBの規則を監督および執行する権限があります。
第109条 – 資金調達 PCAOBの資金は、公開会社に課される年間会計サポート費用を通して調達されます。
サーベンス・オクスリー法第2章 – 監査人の独立性
サーベンス・オクスリー法第2章は、利害の対立を防ぐための外部監査人の独立性に関する規則を定めています。第2章の主要な条項は以下のとおりです。
第201条 – 監査人による監査以外のサービス 監査を実施する登録公認会計士事務所は、監査対象の顧客に対する監査以外のサービスの提供が制限されています。サーベンス・オクスリー法によれば、監査以外のサービスには、簿記、財務システムの設計と実装、鑑定または評価サービス、保険数理サービス、内部監査アウトソーシング サービス、経営機能、人事、ブローカーおよびディーラー サービス、法律サービス、専門家サービスが含まれます。
第202条 – 事前承認要件 監査人が顧客に提供する監査サービスおよび監査以外のサービスは、監査対象企業の監査委員会の事前承認を受けなければなりません。さらに、監査委員会は、監査以外のサービスに関する事前承認の決定を定期報告書において投資家に開示しなければなりません。
第203条 – 監査パートナーのローテーション 発行会社の主となる監査パートナーとレビュー パートナー、およびレビューを担当する監査パートナーとレビュー パートナーは、5年ごとに監査から外れ、交代しなければなりません。
第206条 – 利害の対立 利害の対立に対処するため、発行会社のCEO、会計監査役、CFO、最高会計責任者、または発行会社において同等の役職に就いている者が公認会計士事務所に雇用され、監査開始日から1年以内に発行会社の監査に参加していた場合、当該公認会計士事務所による監査を禁止するものとします。
サーベンス・オクスリー法第3章 – 企業責任
サーベンス・オクスリー法第3章は、上級経営幹部が企業財務報告の正確性と完全性について個人として責任を負うことを定めています。第3章の主要な条項は以下のとおりです。
第302条 – 財務報告に対する企業責任
CEOおよびCFOは、年次報告書または四半期報告書において、財務情報が正確かつ完全であること、ならびに内部統制の確立および維持に責任を負っていることを保証しなければならなりません。
第303条 – 監査の実施に対する不適切な影響力の行使
発行会社の経営幹部または取締役、あるいはその指揮下にあるその他の者が、発行会社の財務諸表の監査人に対して不正に影響を与える、強要する、操る、誤った判断に導くなどの行為を行うことにより、当該財務諸表を重大な誤解を招く内容とすることを禁じています。
第304条 – 特定の賞与および利益の没収
企業が不正行為のために財務諸表の修正再表示を要求された場合、CEOおよびCFOは、賞与、その他のインセンティブベースの報酬または株式による報酬、および株式の売却により実現した利益を企業に払い戻すことを要求される場合があります。
第306条 – 年金基金のブラックアウト期間中のインサイダー取引の禁止
株式の発行会社の取締役および経営幹部が、年金基金のブラックアウト期間中に株式を売却することを禁止しています。
サーベンス・オクスリー法第4章 – 強化された財務情報開示
サーベンス・オクスリー法第4章は、金融取引に関する強化された報告要件を規定しています。第4章の主要な条項は以下のとおりです。
第401条 – 定期報告書における開示 企業による情報開示要件が強化され、定期報告書において特定の情報を開示することが求められます。これには、財務状況、財務状況の変化、経営成績、流動性、設備投資、資本、または収益もしくは費用の重要な構成要素に対して現在または将来における重大な影響をおよぼす可能性のある、非連結事業体またはその他の個人との簿外での取引や関係、合意、義務、その他の関係が含まれます。
第403条 – 経営陣および主要株主が関与する取引の開示 内部関係者が自社株式の取引を報告する期限が2営業日以内に早められています。
第404条 – 内部統制の経営陣による評価 経営陣と監査人は、内部統制を確立し、内部統制の適切性に関する報告方法を定めることが義務付けられます。また、企業は年次報告書の一部として内部統制報告書を作成しなければなりません。
第409条 – 発行者のリアルタイムでの開示 発行者は、財務状況または事業運営の重大な変更に関する最新の追加情報をすみやかに開示する必要があります。
サーベンス・オクスリー法第5章 – アナリストの利害の対立
サーベンス・オクスリー法第5章は、金融アナリストとその利害の対立の可能性に関する透明性向上を定めています。第5章には、証券アナリストに関する利害の対立を緩和することに焦点を当てた条項1つのみが含まれています。
第501条 – 登録された証券協会および国法証券取引所による証券アナリストの取扱い SECに対して、証券アナリストの利害の対立に対処し、調査報告書の独立性を向上させる規則を導入するよう指示しています。
サーベンス・オクスリー法第6章 – 委員会の資金と権限
サーベンス・オクスリー法第6章は、証券アナリストに対する投資家の信頼を回復するための取り組みについて規定しています。主に、証券取引委員会(SEC)の権限、資金、監督機能に焦点が当てられています。第6章の主要な条項は以下のとおりです。
第602条 – 委員会への出頭や委員会に関連する業務 証券専門家を問責する権限、またはその業務を停止する権限をSECに与え、これらの目的のために「証券専門家」という用語を定義しています。
第603条 – ペニー株禁止を課す連邦裁判所の権限 連邦裁判所は、そのような禁止が公共の利益になると判断した場合、特定の個人によるペニー株の提供への関与を禁止することができます。
第604条 – ブローカーおよびディーラーの関係者の資格 ブローカーまたはディーラーの関係者に対してSECが必要または適切であると判断するトレーニング、経験、能力、およびその他の資格の最低基準について定めた規則を制定する権限をSECに付与しています。
サーベンス・オクスリー法第7章 – 調査と報告書
サーベンス・オクスリー法第7章は、金融市場、企業監査、その他の関連分野への理解を深めるためのさまざまな調査や報告書の提出を義務付けています。第7章の主要な条項は以下のとおりです。
第702条 – 信用格付機関に関する委員会の調査と報告書 SECは、証券市場の運営における信用格付機関のロール(役割)と機能に関する調査を実施する必要があります。
第703条 – 違反者および違反に関する調査と報告 米国会計検査院長は、過去5年間の証券違反に対するSECおよび司法省による法執行活動について調査を実施する必要があります。
第704条 – 法執行活動の調査 既存の罰則が報告要件の違反を効果的に抑止できているかどうかを判断するため、それらの違反に対するSECの法執行活動を調査するよう求めています。
第705条 – 投資銀行に関する調査 米国会計検査院長は、新規株式公開(IPO)プロセスにおける投資銀行とファイナンシャル アドバイザーのロール(役割)、およびそれらの業務が投資家の信頼に与える影響に関する調査を実施する必要があります。
サーベンス・オクスリー法第8章 – 企業の不正行為および刑事的不正行為に関する説明責任
サーベンス・オクスリー法第8章は、財務記録の操作、破壊、改ざん、ならびに調査の妨害に対する具体的な刑事罰を規定しています。第8章の主要な条項は以下のとおりです。
第802条 – 文書の改ざんに対する刑事罰 法的な調査を妨害する、阻害する、または調査に影響をおよぼす意図を持って、記録、文書、または有形物を故意に改ざん、破壊、損傷、隠蔽、偽造した者に対して、罰金および/または最長20年の懲役刑を科します。
第803条 – 証券に関する不正行為について定めた法律に違反して発生した債務の非免責 連邦または州の証券取引法に違反して発生した債務は、破産しても免責されないと規定されています。
第804条 – 証券に関する不正行為の時効 証券に関する不正行為の時効が延長され、違反を構成する事実の発覚後2年または違反後5年のいずれか早い方の期間経過後に時効が成立すると定められています。
第806条 – 不正行為の証拠を提供した上場企業の従業員の保護 内部告発者条項とも呼ばれるこの条項は、不正行為を報告した上場企業の従業員を保護し、企業が当該従業員を解雇、降格、停職、脅迫、嫌がらせ、または雇用条件において差別することを違法としています。
第807条 – 企業の不正行為および刑事的不正行為に関する説明責任 上場企業の株主を欺くことを連邦法により定められた犯罪とし、上場証券に関連して他人を欺く計画や策略を故意に実行した、または実行しようと試みた者に罰則を科します。罰則には、個人の場合は最高500万ドルの罰金と最長20年の懲役、法人の場合は最高2,500万ドルの罰金が含まれます。
サーベンス・オクスリー法第9章 – ホワイト カラー犯罪の罰則強化
サーベンス・オクスリー法第9章では、ホワイト カラーによる犯罪や謀略に関連する刑事罰が強化されています。
第903条 – 郵便詐欺および通信詐欺に対する刑事罰 郵便詐欺および通信詐欺の罪に対する最長懲役刑が5年から20年に引き上げられています。
第906条 – 財務報告に対する企業の責任 1934年証券取引所法の要件に準拠していない財務諸表を故意に承認したCEOおよびCFOに刑事罰が課されます。
虚偽の財務報告書を故意に認証したCEOおよびCFOは、最高500万ドルの罰金、または最長20年の懲役、あるいはその両方を科せられる可能性があります。
第10章 – 企業の税申告書
サーベンス・オクスリー法第10章は、同法の中で最も短く、1つの条項で構成されています。
第1001条 – 最高経営責任者による企業の税申告書への署名に関する上院の意見 各企業の最高経営責任者は、自社の税申告書に署名し、税申告書の内容を認識していること、また申告書に矛盾や虚偽の情報が含まれている場合でも無知を主張できないことを保証しなければならないと規定しています。
サーベンス・オクスリー法第11章 – 企業の不正行為に対する説明責任
サーベンス・オクスリー法第11章は、企業の不正行為および記録改ざんに関する刑事罰を規定しています。第11章の主要な条項は以下のとおりです。
第1103条 – 証券取引委員会の一時的凍結権限 証券取引法違反の可能性についての調査中における取締役、経営幹部、パートナー、実質的支配者、代理人、または従業員への過大な支払いを凍結する仮命令を求める権限をSECに付与しています。
第1105条 – 経営幹部または取締役を務めることを禁止する委員会の権限 証券取引法に違反した人物が公開会社の経営幹部または取締役を務めることを禁止する権限をSECに与えています。これによりSECが連邦裁判所を介して提訴する必要がなくなりました。
まとめ
米国のSOX法は日本版よりも厳格であり、米国市場進出を目指す日本企業にとって必須の知識です。同時に、自社のガバナンス強化や国際的な信頼確保にも有益です。その制定により、企業報告・監査・ガバナンスに新時代を築き、金融市場に厳格な倫理基準を根付かせ、投資家からの信頼を高めることにつながりました。